かつらも進歩しています

私の祖父は若い内から、髪の生え際の後退が著しく、祖母が言うには三十代半ばにはすでにツルツルになっていたそうです。
三十代でツルツルになった祖父の心中はいかばかりだったでしょうか。
同じ男として実に同情をしてしまいます。
だからでしょう、若い時の祖父はずっとかつらをつけていました。
私が覚えている限り、祖父がまだ現役で起業に勤めていた六十歳までは、付けていました。

しかし祖父のつけていたかつらは、当時子どもだった私の目から見ても「かつらです!」と言わんばかりの質の良くないものでした。
祖父は物持ちが良い方なので、当時のかつらがまだ我が家にあるのですが、触ってみた感触も、試しにかぶってその姿を鏡で確認をしても、一発でかつらとわかるようなものでした。
祖父に言わせれば「当時はそんなものしかなかった」そうなのです。
きっと祖父と一緒に働いていた人たちも、祖父のかつらは気になっていたことでしょう。
さて、そんな祖父を持った私の話なのですが、血と言うのは争えないものらしく、私も現在三十代半ばになって、若干頭頂部が寂しくなってきたのです。
祖父は髪が薄くなる前に結婚ができたから良かったですが、私はまだ独身です。
このままズルズルと髪の毛が薄くなっていくと、結婚もできなくなってしまうかもしれません。
今のところ頭頂部にちょっぴり地肌が見えているくらいなので、早い内に育毛対策をすればなんとかなるかもしれません。
しかし合コンに誘われた時は、この頭頂部の寒さが災いになってしまうこともありえるわけです。

だから私は休日や、合コンに誘われたりして街に出る時は、現代のかつら・ウィッグを頭につけることにしています。
ウィッグを祖父に見せたことがあるのですが。
祖父は実に珍しそうにウィッグを弄っていました。
そしてウィッグを頭に乗せた私を見て「最近のかつらは精巧になっとるのだなあ」と妙に感心していました。
確かに、ひっぱっても取れないかつらなんて、祖父が若い頃にはなかったでしょうね。
ウィッグの良いところは、オシャレが楽しめる所だと私は思います。
もともと私は髪を伸ばすことがあまり好きではありません。
癖っ毛なので髪が伸びると、爆発頭になるからです。
ですから常に短めに整えているのですが、ウィッグを付ければ、若々しいヘアスタイルにすることも可能です。

今やかつらは、ハゲを隠すだけではなく、オシャレを楽しむこともできるものなのです。
かつらも進歩しているのです。

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